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戦後60周年の年に

年の初めに「今年の課題」みたいな、きっちりしたエントリーを書こうかと気張ったのですが、無理はしないことにしました(笑)。どっかの国の年頭教書じゃあるまいし、そんな立場にも教養もありません。
私はわりと歴史にこだわるほうなので、今年について一点言うのであれば、やはり第二次世界大戦が終了してから60周年だということでしょう。昨年は「父と暮らせば」「夕凪の街 桜の国」に出会ったことで、あらためてあの戦争・原爆の記憶に向かい合いました。
このブログに力を入れて取り組むようになったのは、香田さんの殺害事件がきっかけでした。風邪をひいて仕事を休んだ日、たまたま自宅でネットを覗いて事件の第一報を知り、同時に4月の人質事件のときと同様の中傷が巻き起こっているのを目の当たりにして、書き始めたのです。表現の手段をもちながら沈黙しているわけにはいかない。そんな気持ちだったのでしょう。
この世界には、この日本には、よりよい未来をめざして論ずる課題はいくらでもあります。自分の日常で手の届く範囲でも、いろんなテーマはあります。ことさらに天下国家を論ずるのも悪いとは言いません。
しかし、限られた自分の時間と労力を使うのならば、私はやはり平和の問題を第一にしたい。人間の命を疎かにする精神、人間の尊厳を犯す愚劣とは闘いたい、そう思います。
20世紀はあまりにも多くの人間を殺しました。今もなお世界の各地で続く悲惨は、その愚かさを引きずっています。私たちの政治共同体(=日本国家)は、その愚かさを押しとどめるどころか、逆に自ら進んでその道にのめり込む危険すらあります。日本で最大の読者数を誇る新聞の社説は、集団的自衛権の「行使」は、憲法を改正するまでもなく、首相の決断による憲法解釈の変更次第で、直ちに可能になる、とまで断じている状況です(読売新聞:元旦の社説)。

私は快適なオフィスから国家百年の計を論じるエリートの側でなく、いま、殺されるかもしれない人間の側に立って言葉を発したい。

60周年という区切り自体に格別の意味があるわけではありません。でも、それは過去を振り返るチャンスではあるのです。私自身が忘れてしまったこともあるのです。原爆への怒りも。
むかし読んだE・H・カーの「歴史とは何か」のなかで、たしか「歴史とは現在と過去との対話である」という言葉がありました。現在とは未来を孕んだ現在でもあります。
いまいちど、あの戦争の時代に命を落とした人々のことを心に刻みたい。それが未来へつづく平和への直道であり、いまを苦しむ人々を思いやる最大のよすがとなる、そう考えています。

そして、もうそんな大量殺人の時代は終わりにしよう。
終わらせる決意をしよう。

at 19:59, 主義者Y, 平和

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comment
うめチキ, 2005/01/05 1:40 PM

うめチキです。

トラックバックありがとうございました。

>そして、もうそんな大量殺人の時代は終わりにしよう。
>終わらせる決意をしよう。

そうですね。
本当に心から、終わりにしたいです。

setuko, 2005/01/06 7:51 AM

戦後60年早くも忘れそうになっている自分に気づく。あの悲惨な出来事過去に葬っては、いけない。戦後生まれの人々が、忘れないで悲惨な出来事を後世に伝えていかなくてはつくづく思うこの頃です。

setuko, 2005/01/08 8:18 AM

戦後60年私がすぐ思い出せるのは、彫刻家北村さんの作品、長崎にある平和の像、確か井の頭公園の近くにアトリエがあり、晩年の北村さんのお姿を見かけた事が、ありますので印象が深いものがあります。丸木夫妻の原爆の図、かなり印象深く今でも時々思い出します。あの悲惨な原爆投下の事実を後世に伝えて行く事も私のこれからの課題だと思っています。第五福竜丸が被爆し前に夢の島公園に置いてあった事も印象深く覚えております。










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