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「愛を読むひと」メモ

 強制収容所の看守たちを裁く法廷。傍聴したゼミの同級生が弾劾する。
ユダヤ人の生存者が著した本がたまたま出版され、それによって告発された被告たちがいる。しかし、あの法廷に居並んだ多くの人々のなかにもナチの犯罪に手を染めた者はいなかったのか。青年らしい正義感に溢れた憤りは、また私自身のものでもあった。

ただ看守たち、とりわけ「責任者」と目されたハンナに対しては「もし許されるのあれば射殺してやりたい」とまで激しい言葉が吐き出される。それを黙って聞くしかないマイケル。主人公たちに伴走してきた我々観客にもまた、その正義の弾劾の矢は向かってくる。生半な反論など許さない怒りの刃を、ただ沈黙して受け容れざるをえない。

法廷で明らかになった事実によって、かつて教会の中で流したハンナの涙の意味をマイケルは悟っただろう。小説の活字とは違って、ケイト・ウィンスレットの演技はじつに深々とその表情を印象に刻む。許されない罪ではあるけれど、そのとき私は無名の加害者の側に惹きつけられているのである。もちろん正真正銘のサディスト・人格欠損者が、あるいはむしろそうした者たちこそが多く関わったホロコーストの加害者ではあるけれど、彼女の表情のなかに時代の人間を生々しく感じ取ってしまう。

at 12:08, 主義者Y, ホロコースト

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comment
kamaton, 2009/07/10 2:33 PM

ケイト・ウィンスレットいいですね。
ところで、ニュースメモ欄にアップされている6月7日付ローザの記事、もっと大々的に宣伝せんかい!!今日気づいて、見に行ったらすでに掲載されていなかったぜい!おじさんは悲しい。

主義者Y, 2009/07/12 4:47 PM

kamatonさま
マル共連にコピーがありました↓

独の女性革命家 ローザ・ルクセンブルク 90年ぶりに遺体発見か
2009年6月3日 夕刊

 【ベルリン=弓削雅人】一九一九年、ドイツ政府の共産主義弾圧の末に殺害された女性革命家ローザ・ルクセンブルクとみられる遺体が、ベルリンで約九十年ぶりに見つかったと独メディアが先週から一斉に報道し、波紋を広げている。殺害直後に運河で見つかり本物とされてきた遺体は、ナチス時代に所在不明となっているが、別人の可能性が出てきた。

 シュピーゲル誌などによると、新たな「遺体」は二〇〇七年に大学病院地下室で見つかった。頭部と手足の一部が失われているが、身長一五〇センチ、推定年齢四十代、左右の長さが違う脚など「驚くほど特徴が似ている」という。ただ、DNA鑑定の材料がなく、特定は困難。発見した法医学者は「“本物”の遺体の解剖所見は、致命傷の特定も不十分で、怪しいと思っていた」とメディアに語った。

 報道を受けて、ドイツ左派党のラフォンテーヌ元財務相は「国際的労働運動で傑出した才能を発揮した人物」として、連邦政府に完全解明を要求した。

 ローザ・ルクセンブルクは一八七一年、ポーランド生まれ。カール・リープクネヒトらとドイツで活動した。革命組織「スパルタクス団」を結成、ドイツ共産党を創設した。

kamaton, 2009/07/14 6:02 PM

おう。サンキュー。おじさんもシュピーゲルの記事を見つけ、ドイツ語で読んだ。

それにしても、「脳死は人の死」、君はどう考える。最初の法案成立後、腰を落ち着けて議論を重ねてこなかった国会議員の責任は重大だと考えるがいかがか?










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『愛を読むひと』 アカデミー賞で5部門ノミネート, 2009/07/12 2:13 AM

愛を読むひとは、2008年のアメリカ・ドイツ合作映画第81回アカデミー賞で5部門にノミネート・・・ケイト・ウィンスレットが主演女優賞を受賞