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追悼・小田実

私は「ベ平連」よりもひと回り下った世代ではあるが、小田実の著作を何かにつけて読み、歴史や社会についての見方をさまざま吸収してきたと思う。彼の論述はオーソドックスな左翼評論に収まらない独自の志向があって、それが大いに魅力であった。

一昨年、膝の骨折で入院中に読んだ『<民主>と<愛国>』(小熊英二)を通じて、遅まきながら「難死」という小田の原点を認識した。

8月14日の大阪空襲。ポツダム宣言受諾も決定し「国体護持」が保障せられてもなお、日本政府の逡巡によって遅延した終戦までの数日。この日に倒れた人間の死に、いったいどんな意味があったのだろうか。国家と一体の「散華」とは対極に、ついに一切の意味を見出せず付加もできない「難死」は、降り注ぐ爆弾の雨を逃げ惑う少年小田実の眼前に展開したのだった。



もう10年も前になるだろうか、NHKの「世界 わが心の旅」という番組でベルリンを訪れた小田実を思い出す。反ナチス抵抗運動の市民たちを処刑したプレッツェンゼーの記念館で佇む小田の声が震えていた。希望を失い暗澹たる気持ちに襲われたとき、ここに来て自らを奮い立たせたという。あのもっとも暗黒で死の恐怖に満ちていたナチの支配のなかで、なおも抵抗し命を賭して闘いを止めなかった人々がいた、と。

あのイカつい顔の、その目から溢れたものを見て、私はこのオッサンが好きになったのだ。

平和を求める闘いは終わらない。のこされた遺志は、またそれを継ぐ者の意志となって
絶えることなく生成し、諦めない。

私もそれを担おう。

自民大敗北の、その夜に逝った闘士に、謹んで哀悼の意を捧ぐ。



at 20:10, 主義者Y, その他

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comment
KUMA0504, 2007/07/30 11:28 PM

いま北方謙三「水滸伝」を読んでいるのですが、全19巻の5巻目にして、非常に重要な人物、楊志が死ぬのです。そこから、梁山泊の英雄たちの戦いの火蓋が切って落とされるという構成。まさに小田実の死は楊志の死です。「彼らにとって死に様さえも勝利のひとつであった」

楚星蘭三, 2007/07/31 12:08 AM

昨日から今日にかけて書きたいこと、書かねばならんことが多くて迷っていますが、まずここから書きます。
月曜日の朝刊(地元地方紙)に目を通していて、小田氏の訃報に接しました。普通人間というのは自分の死ぬ日を選べないものですが、奇しくも7月30日の未明に氏が人生を締めくくったことを知り、深い感慨に襲われました。
氏の著書の中では、岩波新書の『ベトナム戦後を行く』が特に印象に残っています。80年代初頭の本ですから「民族解放」「社会主義」「第三世界」といったキーワードでなんとなく理解したつもりになりがちな状況について、小田氏なりの皮膚感覚にたった説明のしかたが強烈に印象的でした。自分の言葉で書く、というのはこういうことか、と思い知らされましたね。

主義者Y, 2007/07/31 12:54 AM

KUMA0504さん こんにちは。熱烈なそちらの小田実エントリーにTBさせていただきました(^^)
私は雑駁な頭なので、精緻な「情勢分析」よりは、ひとの想いを伝えるような書き方をしていきたいと心がけています。梁山泊・・・いいですねえ。横山光輝のものでも探してみようかしら(笑)

楚星蘭三さん そうそう、「自分の言葉で書く」人だったのですよ。できあいの言葉を並べて「らしく」書く人じゃなくってね。
そういう人になりたいです。

ribon5235, 2007/08/02 9:03 AM

はじめまして。KUMAさん経由できました。あの心の旅は私も観ていました。子供の時にやはり「何でも見てやろう」に憧れ自分も行きたいと思いました。真に残念です。あの日にお亡くなりとは。トラバさせてください。よろしくお願いします。










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津久井進の弁護士ノート, 2007/07/31 8:07 AM

 選挙の終わった直後の7月30日,小田実さんが逝去さました。  小田さんは,たいへんお近くにお住まいだったのに,直接お会いしてお話を聞く機会が無く,残念でした。  私にとっては,選挙の結果よりも,ずっとずっと大き

試稿錯誤, 2007/12/24 8:21 AM

                                                                                    小田実逝く。2007年7月30日深夜2時5分。都内の病院で。 小田実が末期