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香田証生さんはなぜ殺される場所に行ったのか

香田さん殺害自供=アルカイダ系容疑者逮捕・起訴−凶器のナイフなど押収・イラク(3月2日:時事通信)

香田証生さんはなぜ殺されたのか
香田証生さんはなぜ殺されたのか


できあがった原稿を香田君のご両親に送った。「そっとしておいてほしい」と願うご両親にとって、自分たちが知らない海外での息子の旅を知りたいと思う反面、それが世に出ることはつらいことだった。その一方でフリーターとしてもがき、自分探しの旅をつづけた香田君の存在を、自らを制御して生きていくことで目の輝きを失っている若者に読んでもらいたいという僕の思いがあった。しかし、その隙間を埋めることはなかなか難しいことだった。
ご両親と僕の見解の違いのひとつは、「旅」というものへのとらえ方のような気がした。それは香田君が殺害された後、彼の行動を頭から否定する声をあげた人々にも共通した認識のように思う。明確な目的もなくイラクという国に入っていったことに人々は非難を集めた。しかし、その言葉に旅人としての僕は違和感を覚えていく。(「あとがき」から)

バックパックの旅が好きな人なら著者の名前は知っていると思う。この本は香田さんの足跡を追って書かれたものだ。
ワーキングホリデーで滞在していたニュージーランドから、香田さんは誰にも言わずにイスラエルに飛んだ。そこからヨルダンに入り、イラクまで行ってしまった。
著者は丹念に、彼の泊まったホテル、バスターミナルなどを辿って歩いている。そこから浮かび上がってくるのは、痛々しいほどの旅の「初心者」ぶりだ。彼はきっと怖かったんだと思う。
そこかしこに銃を持ち歩くイスラエルの街。
香田さんはイスラエルに6週間滞在し、所持金が残り少なくなってから、急くようにヨルダンへ出国しイラクへ向かった。アンマンのホテルには1泊しかしていない。しかも食費の節約のためだろうか、ホテルの外にもほとんど出ていない。
アラブの世界はまた違う。欧米や東南アジアを旅する感覚・技術とは全然違う。行ってみればわかる。慣れるのに時間がかかる。
イスラエルも、私の行ったときはオスロ合意のあとで比較的安定した時期だった。それでも、路線バスのなかで隣の青年の担いでいた銃口が自分の足にコツコツぶつかるような世界だった。
おそらく怖くて怖くてしょうがなかったのに、それでも彼はイラクに行ってしまったのだ。彼は何かを見てしまった。知ってしまった。彼の焦りはいったい何だったのだろうか。

私はたぶん、生還した人質たちより彼のほうに近いのだろう。
「旅」の孤独と興奮を知らない人々には、わかってもらえないかもしれない。


at 01:00, 主義者Y, イラク

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comment
アッテンボロー, 2006/03/04 10:07 PM

 香田さんの行為を軽率であったとか色々誹謗中傷する人々がいるけれど、私たちがどれだけイラクにおける米軍の住民虐殺を知っているだろうか。報道管制によって米軍自衛隊の都合の良い報道史か芽にしていない私たちに、その目で事実を確認しようとした彼の行為を非難する権利はない。かつてベトナム戦争では多くのジャーナリストが文字通り命がけで戦場からの報告をおこなった。そのことによってベトナム反戦の世界的な運動に繋がったのだ。先ず事実を知ることから始めようとした彼の行為は賞賛されるべきだと思う。

主義者Y, 2006/03/05 12:56 AM

香田さんがどういうつもりでイラクまで行ってしまったのか、死者からもはや聞くことはできないので、賞賛すべきかどうかはわかりません。ただ本書を読むかぎりにおいて、彼にはどうしても「知りたい」「見たい」という衝動が芽生えたのだと思います。そこには功名心みたいな余裕なんか全然なくて、彼自身の人生から染み出た、苛立つような焦りが見受けられます。彼の行跡を追うと、明らかにそれは臆病な旅人なんです。その怖さを超えて、それでも彼は自分の力量を超えた場所に行ってしまいました。そんな人間の行動を、私は見下したり笑うことはできません。
また、当時も散々に議論しつくされてきたことですけれど、殺されていく人間に対して、その痛みを感じるよりも自分の「正しい」意見を開陳したいという軽薄さ冷酷さを、あのとき私は非常に感じました。それは自分はいやだけれども、職業軍人(自衛隊)や現地ゲリラは死んでもかまわないという、お気楽評論家の精神にもつながっていると思います。「血を流せ」という勇ましい意見には、たいがいその主体に自分自身を含めてはいないのですね。そういう重さのない軍事の言説には嫌悪を覚えます。

ミーメ, 2006/04/14 1:06 PM

香田証生さんも、今回の事件でこの2年間ほどのうちに物凄い有名人になってしまったけれど・・・。お父さんお母さんにすれば、その衝撃と悲しみはいかばかりにあったろう・・・と、思います。香田さんの年齢は24歳とは言え、生まれてからお母さんやお父さんの腕の中で少しずつ育っていって、大切に育て、守り、・・・ということを考えれば、お父さんお母さんの悲しみは想像を絶する深さでしょう。マスコミにしろ野次馬にしろ、香田君を非難の的に言いたい放題すれば、それ自体がもうすでに、悲しむご家族を意地悪く攻撃している事に他ならないのだ、と私は思います。色々なご意見が飛び交うのもまた、自然な成り行きとは思いますが、もう少し心に留め置いて、思いやりある(たとえ批判的なものであっても)表現や発言をするべきでは・・・?小泉総理があんな調子ですから、むしろ批判的意見なら内閣のほうに向けるべきではないでしょうか。蛇足になりますが、「わざわざ危ない場所へ云々・・」と言うのであれば、真冬の極寒、谷川岳一の倉沢へわざわざ行って遭難騒ぎ起こす人だって該当するじゃないですか・・・。

主義者Y, 2006/04/27 9:44 AM

ミーメさん 2週間もたってからのレスですが(汗)
このブログにも未だに「香田さん殺害動画」で検索してくる人が多くて、イヤになります。
人の命が奪われることを、お気楽な評論の対象にする人間は最低ですね。
私も「わざわざ危ない場所へ」旅に行く人種なので、下川氏の憂鬱はよくわかる気がします。

鈴木, 2017/10/16 12:46 AM

なんで香田くんはルンルン気分でイラクいったんでしょうね。今更だけど、バカなんじゃないんですかね。頭イカレて普通あのような状況で遊びでイラク行こうって思わない思うんだが。あれですか!チキンレースやりたかったのかな?どちらにしても政府の決断は正しかったな
あのバカと国の財産とで天秤にかけられてんだったら当然財産を優先するに決まってんだろw

鈴木, 2017/10/16 12:48 AM

とりあえずこれだけは言える

ざまあみろ!










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週刊!Tomorrow's Way, 2006/03/06 7:30 PM

一昨年、2004年10月、イラクで武装グループに拘束され、殺害された、 福岡県出身の青年、香田証生さんについて、イラクで拘束中の男が、 犯行を自供した――とのニュース。 この事件が最初に報じられたのは、2004年10月27日早朝(日本時間)。 アルイジャジーラの

雑食系ブログ。(仮), 2006/04/18 7:12 AM

今国会は教育基本法改定案をはじめ、入管法改定案や「共謀罪」の法制化、医療福祉制度「改革」など、まあ「悪法」のオンパレードの感がありますが、私は以下で触れる人の「命」「死」を巡る議論の行方にも非常に注目しています。 【「脳死」・臓器移植の問題】