日本国憲法第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
ブッシュ大統領は9月中旬のイラク情勢評価報告の発表を前に、2度の演説を計画。退役軍人らを前にしたこの日の演説では、米国のアジアでの戦争体験に触れ、日本との太平洋戦争や共産主義との朝鮮戦争などでの米国の「忍耐」が現在の発展するアジアを導いたと指摘し、米軍駐留が長期化するイラク政策への支持を求めた。
この中でブッシュ大統領は、「ベトナムの教訓の一つは、米撤退の代価は何百万人もの無実の人々が負うということだ。彼らの苦悩は『ボート・ピープル(難民)』や『再教育キャンプ』という新たな用語をもたらした」と強調。米軍のイラクからの時期尚早な撤退は内戦泥沼化だけでなく、国際テロ組織アルカイダの拠点化をもたらすとの論陣を張った。
これに対し、民主党の有力議員らはブッシュ大統領がベトナム戦争の教訓を履き違えている、と強く反発。同戦争に従軍したジョン・ケリー上院議員は声明で大統領発言を「無責任で無知」だと非難し、「彼は(戦争の泥沼化という)悲劇的な類似性を見落としている。ベトナムの教訓に注意を払うなら、今すぐにイラク政策を転換すべきだ」と反論した。
イラク政策への支持が先細りする中、ブッシュ大統領はベトナムの「悪夢」の教訓に踏み込むことで、自らの立場を逆に一層困難にしかねない危険を冒したようだ。
ハノイからの報道によると、ベトナム外務省報道官は23日、ブッシュ米大統領が「ベトナム戦争の米軍撤退はボートピープルや再教育キャンプという言葉を生んだ」とし、イラクへの関与継続を訴えたことに対し、「(戦争は)民衆にとって正義の戦いだった」と述べ、不快感を表明した。
ベトナム戦争では、南北ベトナム軍将兵や民間人合わせて約300万人が死亡したとされる。報道官は、「民衆は独立と自由と、国家統一のために立ち上がった。戦争の傷跡は今も残っている」と語った。
| 1/1PAGES |